波動② 物理量

波動

「波」の分野では、他の理論の物理量を多く使用します。
弦の波では、力学の物理量である、位置や時間を使用し、
電磁波では、電磁気学の物理量である、電場や磁場を使用します。

ただし、それらの他の理論から流用された物理量だけでは、「波」を表現しきれません。
そのため、「波」の分野独自の用語や物理量もたくさんあります。

まず、「波」の分野で重要な用語である、「振動」と「波動」から確認します。

振動:時間的に揺れているもの全般(バネの付いたおもりの振動や、分子の熱振動など)
波動:振動が空間を伝わる現象(水面の波や、音波など)

です。
この2つが「波」で扱う現象の範囲になります。
振動現象にも、波動現象にも、いろいろな現象が含まれていますので具体性に欠けますが、「波」で扱う現象は「振動」と「波動」のいずれかの現象に分類されます。

次に、これらの現象の「変数」に注目します。

振動は「時間」が変数です。
波動は「時間」と「位置」が変数です。

波動は「振動」が空間を伝わる現象なので、振動の中に「時間」が、空間の中に「位置」が変数として含まれています。

そのため、最も簡単な「振動」と「波動」の数学的表現は以下のようになります。

\begin{eqnarray}
y(t) = A \sin{\left( \omega t + \alpha \right) } \tag{1} \\
y(t, x) = A \sin{\left( \omega t + k x + \alpha \right)} \tag{2} \\
\end{eqnarray}

式(1)が「振動」で、式(2)が「波動」です。ここで三角関数のサイン( \( \sin \) )を使用しているのですが、そもそも三角関数の記号は「最も簡単で基本となる波の形」を表す記号です。もちろんコサイン( \( \cos \) )を使ってもよいです。どちらでもよいので、ここではサインを使います。

振動でも波動でも、何かが揺れています。揺れているものを表すのが、式の左辺の \( y \) です。これは関数です。そして、その変数は、振動の場合は時間 \( t \) のみで、 波動の場合は時間 \( t \) と位置 \( x \) です。

この \( y \) を変位といいます。

これも「波」で使用される重要な物理量です。

実際に揺れているものは、それぞれの振動現象や波動現象で異なります。
バネの振動なら、バネの先端についたおもりの位置変化ですし、
水面の波なら、水面の位置変化です。
ただし、それらの具体的な現象に踏み込まず、同じ「波」として考えた時の、揺れているものの「揺れ」と表現するのが「変位」です。

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