つづいて、電磁気学の2つ目の現象、磁場についてです。対応する式は
\( \nabla \cdot \boldsymbol{B} = 0 \)です。\( \nabla \cdot \)は「湧き出し」を表す数学的な記号なので、
\( \nabla \cdot \boldsymbol{B} \)は「磁場が湧き出す現象」を表現しています。磁場の場合も電場と同様に、N極から湧き出し、S極に吸い込まれます。
しかし、ガウスの法則の右辺はゼロです。
…磁場は湧き出さない?
という意味ではなく。湧き出した分だけ吸い込まれるので、全体で見ればゼロという意味です。磁荷の場合、単磁荷が見つかっていないので、常にN極とS極がセットになっていて、湧き出しと吸い込みが同量になっていると解釈されます。
磁場に関するガウスの法則も、磁場の性質しか表現されていません。実用を考えると、磁気力の式がほしくなります。それが「磁場に関するクーロンの法則」です。
磁気力も電気力と同じ性質を持ちます。具体的には、
1.磁気力は磁荷の大きさに比例する。
2.磁気力は磁荷間の距離により急激に小さくなる。
今回も、「急激に」というのは二乗分の1で減少する、という意味です。磁荷は電荷と違って、単磁荷がないので、厳密には「磁荷の大きさ」を定義しにくいのですが、そこは近似して考えると、電荷に関するクーロンの法則に相当する「磁気力に関するクーロンの法則」が以下のように導かれます。
\( \displaystyle F_m = k_m \frac{m_0 m_1}{r^2} \)ここで、\( F_m \) が磁気力、\( m_0 \) と \( m_1 \) が2つの磁荷の「磁荷の大きさ」、\( r \) が磁荷間の距離です。また、\( k_m \) は両辺の単位と数値合わせのための比例係数で「磁気力に関するクーロン定数」です。
「電気力に関するクーロンの法則」と「磁気力に関するクーロンの法則」が似ているのは不思議なことです。その理由は明らかになっていませんが、電気的な性質も、磁気的な性質も、どちらも、電子、陽子、中性子、光がもつ性質です。同じものの性質なので似ていてもよい、という気もしますが…そうである必要もない、という気もするので、謎は謎のままです。素粒子論の研究とともに明らかになっていくものと思います。

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