熱物性⑤ 顕微鏡観察

熱物性

熱は見えません。温度も見えません。
…高温に加熱した鉄など、赤く輝いているので、見えるといえば見えますが…

また、熱力学でも、熱や仕事や内部エネルギーなどは、熱力学第一「法則」や、熱力学第ゼロ「法則」で定義されるので、「見えないもの」として分類されています。

つまり、熱が関連する現象は見えないので分かりにくい!という特徴があります。

熱を供給するヒータの電力変化や、温度計の値の変化を見て、「不思議」を見つけることは、たしかに可能です。

可能ですが…やはり、直接、起きている現象を見たい!という欲求は存在します。

では、見ればよい、ということで、試料をホットプレートの上に置いて観察しよう、さらに、顕微鏡で拡大したら、肉眼では見落としがちな現象も見つかるのでは?、というのがこの研究の方向性です。

Vol.38, No. 5 - 熱測定

偏光顕微鏡に鋭敏色検板を組み合わせて観察しているので、試料内の分子配列の違いが色の違いとして観察されています。

このシステムを使うと、相転移中の、相共存状態の様子を観察することができます。

単純に、見ていて綺麗ですし、結晶がモニョモニョと大きくなったり小さくなったりするので、楽しいです。

ただし、注意点があります。
熱や温度は本質的に「見えません」。いくら顕微鏡で拡大しても、「見えません」。たしかに、交流加熱法で得られた温度のデータを示すとき、同時に顕微鏡画像を示したほうが説得力が増します。とはいえ、「熱」や「温度」の時間変化を、相の大きさの変化などで置き換えてみているだけです。その対応が「自明」であるわけではありません。また、顕微鏡観察のために、断熱性が犠牲になります。そのため、温度測定等の正確性が悪くなります。直接観察は単独で使用するのではなく、「不思議さ」を探すときや、「考察」するためのイメージ作りのために使用するのがよいと思います。

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