熱力学は6つの変数と、4つの関数で構成されています。この6変数、4関数を学習すれば熱力学の概念は完璧に理解できたことになります。これらの変数と関数は以下のようにまとめられます。
\(\Delta U = ~~T \Delta S ~~ – P \Delta V~ + \mu \Delta N \\
\Delta H = ~~T \Delta S + V \Delta P~ + \mu \Delta N \\
\Delta F = -S \Delta T~ – P \Delta V~ + \mu \Delta N \\
\Delta G = -S \Delta T + V \Delta P~ + \mu \Delta N
\)
規則性が見えてきますでしょうか。
右辺の6つの物理量が「熱力学変数」で、
\( T \) は温度、
\( S \) はエントロピー、
\( P \) は圧力、
\( V \) は体積、
\( \mu \) は化学ポテンシャル、
\( N \) はモル数。
左辺の4つの物理量が「熱力学関数」で、
\( U \) は内部エネルギー、
\( H \) はエンタルピー、
\( F \) (あるいは \( A \) と書くこともあり)はヘルムホルツエネルギー、
\( G \) はギブズエネルギー、
です。
熱力学はマクロな現象のみを扱うという制約があるため、熱力学変数も熱力学関数もすべてマクロな物理量になっています。マクロとは巨視的という意味で、モル数単位の原子分子集団の性質を表す物理量です。
原子1個、あるいは分子1個の、温度、エンタルピー、圧力、体積などというものは定義できません。すべて原子分子の集団のもつ性質を表す物理量です。化学ポテンシャル\( \mu \) は、1モルの原子分子集団のもつエネルギー量です。また、\( N \) はモル数なので、これらの物理量も、モル数単位の原子分子集団が存在することが前提です。
熱力学関数である、内部エネルギー、エンタルピー、ヘルムホルツエネルギー、ギブズエネルギーは、すべて、系のエネルギーを表します。単位はすべて〔J〕(ジュール)です。
6変数、4関数の、熱力学物理量の中で、
中学・高校物理では、エントロピー、化学ポテンシャル、エンタルピー、ヘルムホルツエネルギー、ギブズエネルギーは扱われません。しかし、これらすべての物理量が揃ってこその熱力学です。学校では習いませんが、ぜひ、全部同じ仲間として理解ください。格段に熱力学に対する理解度が上がります。
じっくり眺めていただき、その規則性を見出してください。

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