「熱力学」は名前の通り、熱に関する解釈法です。ただし、熱だけに関する理論ではありません。
まず、熱力学では「世界を2つに分けます」。
「注目するところ」と「その他」です。前者を「系」といって、後者を「外界」といいます。
また、系と外界を隔てるものを「境界」といいます。
そして、外界から境界を経由して系に流入する「エネルギー」を考えます。
熱力学では、系に流入するエネルギーの形式に制限があって、以下の3種類に絞って、それだけを扱います。
1.加熱
2.圧縮
3.物の流入
つまり、熱力学から見た世界は以下のようになります。

この現象を実際の世界に照らし合わせると…
たとえば、
風船に気体を入れることを考えます。風船の中が「系」で、それ以外の世界はすべて「外界」とします。気体を温めてから風船に入れると、冷たい気体をいれるときに比べて「系」に流入するエネルギー量は増加します。それが「物の流入」によるエネルギー上昇です。続いて、風船の外から温風を吹きかけて、風船内の気体の温度を上昇させます。それが「加熱」です。最後に、風船を変形しない容器に押し込んで潰します。それが「圧縮」によるエネルギーの上昇です。
…風船に、そこまでしてエネルギーを供給する必要があるのかは不明ですが…イメージはそのようなものです。
ちなみに、熱力学では「系」は「注目するところ」であれば、何でもよいです。しかも、注目するかどうかは、熱力学を使う人が決めてよいのです。ものすごく抽象化された世界を扱うのが熱力学なので、非常に汎用性が高く便利です。更に、高度に抽象化されているおかげで、内部矛盾もありません。数学も高度に抽象化されているため、内部矛盾が限りなく小さくなっています。数学のような厳格さが熱力学にもあるので、熱力学は「美しい理論」と言われています。

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