波動⑦ 光と音と粒子線の分類

波動

波の学習では、波の形状を特徴づける用語(波長や振動数)や、波の性質を表現する用語(回折や干渉)を覚えることが大事でした。

では、何のために覚えるのか、ということですが、現象を理解するためです。

それは他の理論と同じです。人間が現象を理解すること=物理量で記述すること、なので、目の前の振動や波動現象を、物理量で表現できればよいです。

ただ、それができると、逆に、物理量で記述された現象をイメージできるという逆のプロセスが可能になります。

今回は、波の形状を特徴づける用語を使って、目の前にない波をイメージしてみます。

日常現象で大事な波として、「光」を考えます。

…ところで、光とは何でしょうか?

この解を、現在の科学では示せません。電子、陽子、中性子が人間の認知能力を超えた存在と考えられているように、光もまた、認知能力を超えた存在と考えられています。

ただし、光とは何か?には答えられなくても、光の性質は分かっています。

光は「粒子性」と「波動性」を併せ持ち、そのうちの「波動性」に関しては「電磁波」として振る舞います。

「電磁波」とは、電場と磁場の揺れが伝わる現象です。理想的なことをいうと「微小な電荷」と「微小な磁荷」を、光の経路に置くと、両者とも揺れる、という現象です。

光は電場や磁場という空間の歪みが伝わる現象なので、真空中でも伝わります。

光は振動数や波長によって性質が変わります。そのため、似たような性質の光ごとに、名前がついています。それが「赤外線」や「紫外線」という用語です。

では、光を分類してみます。

ここで、「振動数」と「波長」が使われています。
この図では、振動数が大きくなるほど、右側の波になります。
逆に、波長が大きくなるほど、左側の波になります。

さて、振動数と波長という用語から、波のイメージが湧きますでしょうか。

振動数は「1秒間当たりの振動回数」です。振動数が大きいということは「たくさん揺れている」ことに相当します。

一方、波長は「波1個の長さ」です。同じ速度で移動する波の場合、たくさん揺れている波ほど、波1個の長さは小さくなります。

そのため、振動数が大きくなれば、波長が小さくなるように図を書いています。

次に、光の分類を見てみます。右側に「X線」があります。つまり、「X線」は振動数で考えると「たくさん揺れている」波とイメージできます。また、波長で考えると「小さい波がたくさんある」波とイメージできます。

「見えないものを見る力を得ること」、それが学習の最大の効能です。病院で検査を受けるとき、X線で体の中を透視したことがある人は多いと思います。その時、X線は見えなかったはずです。人間の目では、X線を知覚することは出来ません。そのため、X線の波としての揺れも直接観察することは出来ません。しかし、振動数や波長の概念を知っていれば、想像することが可能になります。X線は体の中を透視できる便利な波ですが、リスクもあります。それは目に見える現象だけを理解していては気が付くことができません。

脱線しましたが、改めて光の分類を考えます。

前述の図に再度注目していただくと、図の中心に「可視光線」があります。これが人間の目で観察できる光です。つまり、私達の日常の現象であり、理解しやすいので、学習はここから始めます。

可視光線の中でも、波長が大きい光を、人間は「赤色」と認識します。一方で、波長の小さい光を「紫色」と認識します。間は虹色です。

次に「可視光線」の両側を確認します。
「赤色」の外側の、人間の目で観測できなくなった光を「赤外線」、
「紫色」の外側の、人間の目で観測できなくなった光を「紫外線」といいます。

赤外線の中にも、近赤外線、中赤外線、遠赤外線などの分類がありますが、何に「近」いのかといいうと、私達の日常である「可視光線」に近い、という意味です。
赤外線は熱線です。ハロゲンヒーターや、炊飯器で米を加熱する光などに用いられています。

更に、振動数が遅い光を「電波」とよびます。
電波は主に工業的に利用され、携帯電話での通信や、電子レンジでの加熱に使用されています。
工業的に有用な波なので、工業分野では更に小分類が存在します。
マイクロ波やミリ波などいろいろな分類名が存在します。

一方で、紫外線よりも振動が激しい波が「X線」です。

一般に、「可視光線」に近いほど、私達の日常に近い波であるので、安全性は高いけれども、特殊用途には使いにくい波になっています。
一方で、「X線」や「電波」のような、我々の日常から遠い波は、不思議な現象を引き起こすことが多く、「X線」や「電波」を使うと、体の中を透視することも可能になります。

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