\begin{eqnarray}
y(t) &=& A \sin{\left( \omega t + \alpha \right) } \\
y(t, x) &=& A \sin{\left( \omega t + k x + \alpha \right)} \\
\end{eqnarray}
波動特有の物理量についての、第一弾です。
これらの式に含まれる、\( A \) や \( \omega \) が波特有の物理量です。
波特有の変数は3種類に分けることができます。
振動と波動をグラフで書くことを考えます。
振動は時間だけが変数なので、時間を横軸、変位を縦軸にとった2次元のグラフで書くことができます。
一方で、波動は時間と位置が変数なので、時間と位置を横軸、変位を縦軸にとった3次元のグラフで書くことができます。
振動のグラフが、波動のグラフの、位置の軸がなくなったバージョンだと考えると、3次元のグラフが表現できれば、振動も波動も表現できる=理解できる、ということなります。
以上より「波」の物理量は「縦軸の形状を規定する物理量」、「横軸(時間)の形状を規定する物理量」、「横軸(位置)の形状を規定する物理量」の3種類になります。
ここでは「縦軸の形状を規定する物理量」と「横軸(時間)の形状を規定する物理量」について考えます。
まず「縦軸の形状を規定する物理量」ですが、2つだけです。
変位:\( y \) :揺れそのもの。実際に何が揺れているかは、現象次第。
振幅:\( A \) :揺れ幅。三角関数が-1から1までの値しかとれないので「倍率を決める」機能と、三角関数は単位もとれないので「現象に合わせた単位を付ける」機能があります。
次に、「横軸の形状を規定する物理量」ですが、横軸とは、「時間」と「位置」の軸です。それぞれの軸に対応する変数を \( t \) と \( x \) とします。この変数は、数学であれば、三角関数の「角度」とよばれる領域に入っています。しかし、「波」の分野では「角度」とよばずに「位相」とよびます。呼び名が変わるだけで、単位は rad(ラジアン)のままで、「角度」と同じです。
さて、本題に戻って、「横軸(時間)の形状を規定する物理量」ですが、3つです。時間に関する物理量は、式の \( t \) の係数 \( \omega \) から派生します。
まずは「角振動数」です。
角振動数:\( \omega \) :時間の単位である秒を、位相の単位であるラジアンに変換する係数です。単位は「rad/s」です。
続いて、「振動数」です。
\( \omega = 2 \pi f \)
と書いて、
振動数:\( f \):1秒当たりの振動回数です。
角振動数 \( \omega \) が1秒間当たりの位相(角度)変化でした。単位は「rad/s」。
それを分割して、「揺れ一回あたりの角度変化 = \( 2 \pi \) rad/回」と、「1秒間当たりの振動回数 = \( f \) 〔回/s〕」の掛け算にしています。先ほどの式に単位も入れて書くと、
となります。この式を使うと、「なぜ \( \omega \) が「角振動数」という名前なのか」も説明できます。
\( 2 \pi \) が「角」で、\( f \) が振動数なので、
角振動数( \( \omega \) ) = 角( \( 2 \pi \) )× 振動数( \( f \) )
だからです。
最後の物理量は、「周期」です。
振動数を使って、
と書き、
\( T \):周期:「1回振動するのにかかる時間」です。
理由は、振動数が「1秒間(時間)当たりの振動回数」なので、逆数にすると「1回振動するのにかかる時間」になるからです。
以上が今回の5個の物理量の説明でした。
変位:\( y \)
振幅:\( A \)
角振動数:\( \omega \)
振動数:\( f \)
周期:\( T \)
ちなみに、補足を。単位に「回」はありません。省略されるのが慣習です。そのため、振動数は「回/s」ではなく「1/s」です。上記の説明で「回/s」と書いていましたが、間違いです。説明のためだけの表記です。
更に、振動数の「1/s」は「Hz」(ヘルツ)に置き換えられます。分数の単位表記は嫌われることが多く、よく使われる単位は別の文字に置き換えられる傾向にあります。それも文化です。

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