力学の応用③ 骨格(下肢)

勉強の応用と動機

力学で習う力に「重力」があります。
重力は物理学にとって大事な力の一つで、「基本的な力」の一つに数えられています。

基本的な力というとかっこいいのですが、実際は「発生原因を解明できていない力」という意味です。
つまり、現在の科学では、重力がなぜ発生するのか分からない、ということです。

そんな重力ですが、「地上に住む生物に強い影響を与えている力」です。つまり、地上で生きていくためには重力を意識できるようになる必要があります。

地球上で生きる我々は、(通常は)重力のない世界を経験できません。
近年、宇宙飛行をする人の数が増えています。そのような方は重力が小さい世界を経験できます。
ただ…そのような機会に恵まれる人はまだまだ少数です…

ということで、重力に晒され続けている我々にとって、日常的に存在するにもかかわらず、晒され過ぎて意識されることの少ない力が重力です。朝、「今日も重力が辛いな」と思いながらベッドから起き上がる人は、たぶん、いないと思います。

ですが、実は、我々にとって重力は辛いものです。

生命は地上で生きるために骨格を発達させました。四足歩行動物は主に前足で重力に耐えています。

四足歩行動物の肩甲骨は体の側面に付いていて、体を支えるのに適した構造をしています。老犬や老描は、前足がO脚気味になることがあるのですが、重力の負荷が前足に加わっていることを示しています。

我々は二足歩行動物です。我々の場合、重力の負荷は下肢(四足歩行動物の後足)に集中しています。特に、負荷による損傷が大きいのは関節部分です。下肢には3つの関節があります。股関節、膝関節、足関節です。膝関節については別のところでも言及していますが、ここでも改めて検討します。

股関節(こかんせつ)

骨盤と大腿骨を繋ぐ関節です。骨盤は、四足歩行動物から二足歩行動物に進化するときに、大きく影響を受けた骨です。四足歩行動物の場合、大腿骨は背骨に対して垂直に近い角度で接続していますが、二足歩行動物の場合、直立時は平行になります。

このように、骨の接合角度が大きく変化したことにより、骨盤の形状も変化しました。このように進化により形状変化が起きた骨は構造が最適化されておらず壊れやすくなっています。長時間の歩行により股関節周辺が痛くなることがありますが、骨にも負担がかかっています。

ただし、我々の骨盤にも四足歩行動物のときの形状の面影が残っているため、椅子に座ることができます。椅子に座っているときの我々の足は、背骨に対して直角です。この角度で関節が安定しているのは、我々の先祖が四足歩行動物だったからです。

膝関節(しつかんせつ)

ひざの関節です。人体で最大の関節です。大きな骨を組み合わせて、重力の負荷を分散させようとしています。

それでも、股関節と同様に長時間の歩行で痛くなる関節です。重力の負荷、および移動時の負荷は、膝関節ほどの大型の関節をも破壊するほどのものです。

ところで、膝関節は面白い機能があります。真っすぐにしたときに大腿骨と脛骨が一体になって動きます。今、椅子に座っていますか?膝を伸ばすように片足を伸ばしてみてください。足首を垂直にし、その足首を左右に振ってください。すると、大腿骨まで一体となって回転しますよね。次は、ひざを曲げて足首を振ってください。このときは脛骨以下の骨だけが回転し、大腿骨は回らないはずです。

足関節(そくかんせつ)

足首の関節で、脛骨より上に加わる重力の影響をすべて受けます。この関節は複数の骨で構成され、上手に負荷を分散することができる、とても高機能な関節です。ただし、怪我をすると負荷の分散できなくなり、重力により破壊されてしまいます。

重力は想像以上に我々の体に負荷を与えています。しかし、地球上で生活する以上、重力を避けることは出来ません。重力を意識して体をいたわるよう…ご自愛ください。

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