力学➀ 構造

力学

力学とは、「物の位置変化」を解釈するための道具です。長さ(メートル)、重さ(キログラム)、時間(秒)の組み合わせで作られる単位を持つ物理量で、「物の位置変化」を記述します。科学では、興味のある現象を物理量で記述できれば、その現象を「理解した」ことになります。

「力学で扱われる物理量」ですが、確かにルール上は「長さと重さと時間の単位をもつ物理量」ですが、実際、基本となるのは以下の7つです。

1.力 単位は〔kg m/s2
2.質量 〔kg〕
3.大きさ 〔m〕
4.加速度 〔m/s2
5.速度 〔m/s〕
6.位置 〔m〕
7.時間 〔s〕

あとはこれらの組み合わせで作られたもので、例えば「運動量」は「質量×速度」です。

つまり、この7つの物理量の定義さえ分かれば「力学の学習は完璧」です。さすがは古くて洗練された理論である「力学」、とても簡単な構造になっています。

一方で、力学は使い方に気を付ける必要があります。たった7つの物理量でしか「物の位置変化」を記述できません。興味のある現象が、この7つの物理量で記述できなかった場合、それはもう力学ではどうにも解釈できません。シンプルな分、適用範囲は限定されます。

ところで、力学の「学」には特別な意味があります。「学」は完成した、あるいは完成に近い状態の理論を意味します。「完成した」とは、その現象を記述するために必要な物理量を極限まで絞りこんだ、ということです。理論を作成するとき、とりあえずいろいろな現象を表す物理量を導入します。その後、統廃合を繰り返すことで、必要十分な物理量だけが残ってきます。多くの科学者が、それなりに満足できる程度まで物理量を絞り込んだら、それは一つの「学」になります。

ただし、「学」が付く理論は多くありません。特に完成の高い理論は少なく、「力学」と「熱力学」程度です。それほど、物理量の厳選には、人の英知が必要になります。

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