物体の運動を解釈するとき、力学では4種類のモデルのどれに物体が当てはまるかを考えます。
| モデル | 大きさの有無 | 変形の有無 | 大きさの有無 |
| 質点 | 無 | 無 | |
| 剛体 | 有 | 無 | 固体 |
| 弾性体 | 有 | 有 | 固体 |
| 流体 | 有 | とても有 | 液体・気体 |
質点、剛体、弾性体、流体 の4種類です。これらの分類は「大きさの有無」と「変形の有無」で分けられています。
「質点」は質量のある点なので、大きさが無視できるものです。大きさがないので変形もありません。
「剛体」は大きさはあるけれど変形しない固体です。大きさがあるので自転します。
「弾性体」は大きさがあり変形もします。高校物理ではバネが該当します。また、歯科で使用する矯正用のワイヤーや、骨折する骨のモデルも弾性体として扱います。
「流体」は液体と気体の総称です。流体は流動するため、非常に扱いが難しく、高校物理では「浮力」程度しか扱いません。流体は扱いがあまりに難しいため、更に小分類があり、「静止流体」「完全流体」「粘性流体」など、可能な限り単純なモデルで扱えるよう工夫されています。
なぜ、大きさと変形により物体を区別するかというと、扱いの難しさが全然違うからです。
質点であれば、自転を考える必要がないので、運動方程式だけで運動を簡単に記述することができます。しかし、剛体になると自転運動が入るため、回転現象を表現するために力のモーメントや慣性モーメントを考える必要が出てきます。さらに、弾性体になると、もはや運動方程式を立てることが難しくなり、バネ定数やヤング率などの物理量を必要とします。しかも、バネ定数などの「弾性係数」を呼ばれる物理量は、弾性体の一部の性質しか表すことができません。そのため、物性の一般化が不可能になっています。さらにさらに、流体になると流動を一般化することができなくなります。流体(流れる物体)なのに「静止流体」のように流れを止めてしまえば扱いやすくなりますが、乱流など激しく流れている流体の解析は困難です。
このように、大きさや変形は、考慮しなくもよいシチュエーションであれば無視したいのです。無視できないのであれば諦めの気持ちをもって難題に挑む覚悟をします。

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