プロテインデータバンク

タンパク質などの構造解析データはプロテインデータバンクで検索します。

ナトリウム・カリウムポンプ

「ナトリウム・カリウムポンプ」は、細胞の外にナトリウムをくみ出し、細胞の中にカリウムを取り込む機能を担っています。「ポンプの動作にATPのエネルギーが使用されている」と言われますが、ATPからポンプへエネルギーが受け渡されるためには、ポンプ内にATPのエネルギーを受け取る機構が必要です。具体的には、ポンプにはATPを取り込む場所が用意されており、そこにATPが入り込むことで、エネルギーの受け渡し、つまりポンプの電子状態の変化し、さらにはポンプの形状が変化します。

それを可視化します。プロテインデータバンクの検索欄に「8D3U」と入力してください。

「Human alpha3 Na+/K+-ATPase in its Na+-occluded state」が検索結果として表示されます。次に、「3D View」のタブをクリックします。分子全体が3Dモデルで表示されます。

ここでATPとの関係を可視化します。今、表示されているモデルにもATP(が分解されたADP)が含まれているのですが、ポンプの分子が大きすぎてADPが見えにくくなっています。そこで…

モデルの右側にある「Polymer」の目玉マークを押して、Polymerを非表示にします。

ADP分子が表示されました。更に、ADP分子をクリックすると周囲の原子との関係性が分かります。

ATPはエネルギーをため込んだ分子と言われますが、ATP単体ではそのエネルギーを活用することはできません。ATP(この図ではすでにADPですが)が周囲の原子分子と影響し合う機構が存在することで、「エネルギーの受け渡し」が可能になります

ヘモグロビン

体内で酸素を運搬しているのが赤血球に含まれるヘモグロビンです。ヘモグロビンに含まれるヘムは赤色なので、血液は赤色をしています。ヘモグロビンは酸素が結合しているときと、結合していないときで色が変わります。酸素が結合しているときは朱色に近い赤色で、酸素が結合していないときは暗い赤色です。

怪我をして出血し、外気に触れた血液は酸素と結合します。そのため、出血により目視できる血液は朱色に近い色をしています。一方で、皮膚の下にうっすら見える血管を流れている血液は静脈で、酸素と結合していないヘモグロビンが多い血液です。そのため暗い赤色をしています。

分子の色は、分子の電子の状態によって決まります。電子の状態は、分子の形状に反映されます。つまり、酸素が結合しているか否かで、ヘモグロビンに含まれるヘムの形状が異なっている、はずです。

分子の形状を目視で確認することは不可能なので、プロテインデータバンクで確認します。

プロテインデータバンクにアクセスします。検索欄に「2HHB」と入力し、検索します

これが酸素が結合していないときのヘモグロビンです。

「3D View」のタブを押し、更に、「Polymer」を非表示にします。

ヘムを拡大すると、ヘム(茶色が鉄原子、その周りも含めて「ヘム」)は赤色矢印方向に引っ張られているような構造をしています。

次に、酸素が結合しているヘモグロビンを確認します。ヘムを確認すると、

鉄原子が両側から引っ張られていることが分かります。このように、ヘムは酸素の結合の有無によって形状が異なり、それによって色が変化している(具体的にどのように色が変化するのかは、この構造を見ても簡単には判断できませんが)ことが分かります。

ところで、実際のヘムは、酸素が結合すると「黄色」「緑色」「青色」の光を吸収します。一方で、酸素が結合していないときは「黄緑色」の光を吸収します。

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